愛猫の抜け毛の
原因は?
理由を知って適切な対処をしよう
猫の毛が抜ける理由は?

季節(春と秋)による「換毛期」なら大丈夫!
人間にも「衣替え」があるように、猫にも「衣替え」はあります。簡単に言えば猫にとっての「衣替え」が春と秋の「換毛期」にあたるのです。

猫の毛をかき分けてみると、長い毛と地肌近くには柔らかいふわふわの短い毛があるのをご覧になった事があると思います。
長い毛は艶があって身体を保護する役割があります。これを「オーバーコート」とよびます。
短い毛は体温を逃がさないようにする役割を持ち、「アンダーコート」とよんでいます。
春の換毛期(3〜4月)に抜けるのは「アンダーコート」のほうで「冬毛」と呼んだりもしていますね。猫は暑い夏や寒い冬に備えて、「アンダーコート」を脱いだり着直したりしているという訳です。
そして秋の換毛期(10〜11月)には、夏の間に生えていた夏毛が抜け毛となるのです。
この時期に抜け毛が増えるのは「換毛期」によるものなので、あまり心配することはないでしょう。
また、現在は、エアコンや暖房機具などによる室温の変化、異常気象などによる気温の変化で必ずしも春と秋に換毛期になるわけではなく、だいたい春、だいたい秋くらいに換毛期がやってくるという認識になりつつあります。

異常な抜け毛は病気のサイン

飼い猫が「換毛期」でもないのに多量の抜け毛があったり、異常なほど身体を噛んだり、かゆがっていたら「病気」を疑ってください。
もしくは身体のどこか一部分だけ毛が抜けていたりしたら、それは病気のサインなのかもしれません。
顔を中心に抜け毛が多い、脱毛がある場合は「皮膚糸状菌症」「ヒセンダニ症」「食事性アレルギー」の可能性を疑ってください。

毎日食べるフードは大丈夫?アレルギーかも!

キャットフードを与えているから大丈夫!と、安心しているのは間違いかもしれません。実は、飼っている猫には合わない原料の入ったフードかもしれないからです。
普段からよく下痢をする、痒がるなどの症状が見られるのなら、フードにアレルギーを引き起こす原料が入っていないか確かめてみると良いでしょう。

猫にもストレスはある

猫には留守番させても大丈夫と、家を空ける時間が長くなることがよくありませんか?
猫は、飼い主さんと会えないことがかなりのストレスになってしまい、身体に不調が出て大量の抜け毛が出ることもあります。
逆に構いすぎるのも猫にとってストレスとなります。気持ち良く寝ている猫を起こしてみたり、無理矢理遊ばせたりと猫のペースを無視するのもストレスの元になります。
抜け毛対策には
ブラッシングが有効?

抜け毛を取り払いヘアボール予防!

猫はとっても綺麗好きで、自分の毛をよくグルーミングしている姿をみかけますね。興奮したあとにも、落ち着きを取り戻すため、グルーミングで気持ちを整えます。
しかし、グルーミングにより飲み込んだ毛は少量なら便と一緒に外に出ますが、量が多くなってくると胃の中で絡んだりして毛玉になってしまいます。この毛玉を「ヘアボール」と呼び、猫がよく吐くのは、胃にたまったヘアボールを吐き出すためなのです。

猫が抜け毛を飲み込む量を少しでも減らしてあげられるように、ブラッシングが必要です。
気をつけないといけないのは、胃の中の毛玉が大きくなりすぎて上手く吐き出すことが出来なくなった時です。
「毛球症(もうきゅうしょう)」になってしまい、大きくなりすぎた毛玉が腸につまって「膓閉塞」などを引き起こしてしまいます。
老猫や長毛猫、グルーミングをよくする猫は特に注意が必要です。
普段から猫をよく観察して、少しでもおかしいなと感じたら、一度動物病院で診てもらうのがいいですね。

長毛種のもつれ対策

猫には長毛種と短毛種があります。毛の長さが長いか短いかの違いですが、長いほうの長毛種にはブラッシングが欠かせません。
何もしないでいると、長い毛同士が絡まってしまい大変なことになります。
いざブラッシングをしたら、絡まりあった毛でブラシが上手く通らずに引っ掛かって毛が抜けてしまった!なんてことになると、猫に痛い思いをさせてしまいます。
その結果、ブラッシングを嫌がったり、ブラシを見ると隠れたりするようになるかもしれません。
そのようにならない為にも、毎日のブラッシングでもつれ予防をしてあげたいですね。

愛猫とのスキンシップに

愛猫とスキンシップにブラッシングは大変有効な手段です。
膝に乗ってきたときに、猫の頭や背中をブラッシングしてあげてみてください。喉をゴロゴロならしながら、気持ち良い顔をしてくれるはずです。
ブラッシングをしながら、身体に怪我や傷がないか、ノミに噛まれたりしていないか、痛がる部分はないかなどの健康チェックもしてあげることができますよ。
猫のブラッシングのやり方

ブラッシングする方向
ブラシでとかす時には、基本的に毛並みにそって動かすようにします。
頭(後頭部)から順に首→背中→腰まわり→尻尾→最後はお腹。
お腹は猫にとって急所になり、嫌がる猫も多いので、無理にしないよう注意しましょう。

初めから長い時間ブラッシングするのではなく、嫌がらない程度の数分から始めることをオススメします。
慣れてきてストレスを感じていないようなら、少しずつ時間を伸ばしてあげれば大丈夫です。

長毛種・短毛種によってブラシを変えよう

ブラッシングする時には使用するブラシの特徴も知っておくと便利です。
代表的なものをご紹介しますので、ご参考にしてみてくださいね。
コーム
人が使うクシのようなものです。長毛種の猫などは、最初にコームを使いほつれをほぐすのに最適です。

スリッカーブラシ
くの字型の針金がブラシについたもので、針金はステンレスやアルミ、ナイロンなどの種類があります。
こちらも長毛種向きで、抜け毛を取るのには向いています。
ただ、針金の先は丸くなっていませんので、力任せにとかすと地肌に当たって傷がついたり、猫が痛がる場合もあります。

ピンブラシ
スリッカーブラシの針金の先が皮膚に当たっても保護する形で丸くなっています。
人が使うブラシと同じようなもので、長毛種・短毛種どちらにも向いています。
スリッカーブラシと違い地肌に当たっても痛くないのでオススメです。

ラバーブラシ
シリコン製、ゴム製のもので、全く痛くありません。抜け毛予防というよりは、マッサージに向いているようです。
あまりきつくとくと、健康な毛まで抜いてしまうので気をつけないといけません。

獣毛ブラシ
名前の通り、獣といわれる猪や豚の毛で作られたブラシです。毛に水分と脂分を含んでいるため、獣毛ブラシでとかすと猫の毛並みに艶を与えます。
ブラッシングで
猫とのスキンシップを!

今回は猫の抜け毛についてご紹介してきました。
猫の抜け毛には「換毛期」以外にも、病気やアレルギー、ストレスなどの原因が考えられます。
「換毛期」以外の理由で抜け毛を増やさないためにも、猫とのスキンシップは大切です。抜け毛を予防、スキンシップもとれるブラッシングで対策をして、健康で長生きしてもらいたいですね。
ブラッシングも無理やりするのではなく、猫の気持ちに寄り添って、猫にあったやり方で行ってあげてください。